特定施設水道連結型スプリンクラー設備/比較
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平成19年6月13日の消防法改正による「水道連結型スプリンクラー」には、現在ではさまざまな方式が提案され、それぞれの特徴があります。
この記述は一般的な傾向を想定して記載しております。
施工する現場状況等を考慮し、参考としてください。
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@直結直圧式
※水道直結方式(湿式)
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概要
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水道配管にスプリン継手(停滞水防止継手)とスプリンクラーヘッドを組み込む方式。
スプリンクラーに供される水道配管内は常に加圧水で満たされており、火災時には、スプリンクラーヘッドが火災熱により開放され、自動的に散水・消火活動を行う。
改正消防法令による水道連結型スプリンクラーの代表的な方式。
スプリン継手の開発により確率した方式である。
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長所
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@構造がシンプルなため、非常に信頼性が高い。
Aタンクやポンプも不要、専用配管とすることもなく低コスト。
B水源がほぼ無限
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課題
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@設計概要が理解されにくいことがある。
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参考図
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あり
水道連結型スプリンクラー/給水方式
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@-A直結直圧式
※水道直結方式(乾式)
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概要
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水道管にスプリンクラー専用配管を設け、電動弁により制御する方式。
水道配管と別に設けられるスプリンクラー配管部分は、日常的には通水されず、火災時には報知機等による電気信号等により電動弁を開閉し充水する。充水された後、スプリンクラーヘッドが火災熱により開放され、自動的に散水・消火活動を行う。
長所・課題を考慮すると、この方式は寒冷地専用設備と考えたい。
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長所
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@スプリンクラー配管部分に水がないため凍結に強い。
Aタンクやポンプも不要。
※ただし必ず専用配管とするため、多少コストは上がる。
B水源がほぼ無限
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課題
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@電動弁を使用するため、湿式に比較すると信頼性は低い。
※弁類は長期間使用しないと開閉トルクが増大する等、いくつかの要因により故障のリスクは避けられない。
A故障しても誰も気がつかない可能性がある。
B電動弁が凍結すると作動しない。
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参考図
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なし
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A直結給水ブースターポンプ方式
※直結増圧
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概要
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水道直結方式(湿式)に増圧ポンプを組み合わせたもの。
低水圧地域にもある程度対応可能となり、放水圧力が安定しやすい。
管末水栓の使用により、日常的に稼働する。
スプリン継手の開発により確率した方式である。
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長所
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@低水圧でもポンプで増圧するため、放水圧力が安定している。
A日常的に稼働するため、機械の状態が良好。
B水源がほぼ無限。
C水栓使用時にも影響されない設計可能。
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課題
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@設計概要が理解されにくいことがある。
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参考図
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あり
直結給水ブースターポンプ/増圧給水装置
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B受水槽+加圧ポンプ直送方式
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概要
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水道直結方式(湿式)に受水槽・加圧ポンプを組み合わせたもの。
水道メータの大きさにも左右されることがなく、低水圧地域でも関係なく対応可能となり、ヘッドの放水圧力が安定しやすい。
専用配管としなくてもよいが、タンクやポンプを使用するためコストは上がる。
スプリン継手の開発により確率した方式である。
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長所
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@水道メータや水圧に関係なく設置可能。
Aポンプ加圧方式のため、放水圧力が安定している。
B断水時や水栓使用時にも、影響されない設計可能。
C水道の整備状況が好転したとき、水道直結式に改造しやすい。
D日常的に作動確認できる。
E震災時には飲料水の確保も可能。
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課題
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@設計概要が理解されにくいことがある。
Aタンクやポンプを使用することによりコストが上がってしまう。
B水源が限られている。
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参考図
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あり
受水槽・加圧ポンプ直送方式
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C補助水槽式
※水道に連結されない水道連結型スプリンクラー?
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概要
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タンク・ポンプ・専用配管すべてが必要となり、構造的にはほとんど従来方式のスプリンクラーと大差がない。
水道に連結されない水道連結型スプリンクラー?であり、特例として挙げられた方式と思われる。
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長所
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@水道メータや水圧に関係なく設置可能。
Aポンプ加圧方式のため、放水圧力が安定している。
B断水時や水栓使用時にも、影響されない設計可能。
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課題
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@専用配管・タンク・ポンプすべて必要となり、ここでは最も高コストな方式のスプリンクラーとなる。
A故障しても誰も気がつかない可能性がある。
B規制緩和のメリットがない。
C水道の整備状況が好転しても、水道直結式に改造できない。
D水源が限られている。
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参考図
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なし
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